カルシウム(Ca )は、三要素に次いで多量に必要とする重要な要素です。 今までは、農水省登録として酸性土壌のpH矯正を目的にアルカリ分を保証したもの、および特殊肥料(都道府県)のカルシウム肥料として届出されたもののみで、液肥や普通肥料としては例外(リン酸カルシウムや硝酸カルシウムなどリン酸、窒素原料に副成分としてカルシウムが含有される。)を除き、水溶性カルシウムの混入は認められておりませんでした。 アルカリ分を保証するカルシウム肥料は、通称石灰といわれる生石灰、消石灰などの不溶性カルシウムであって、土壌中に多量に施用してもあまり作物に吸収されません。 また、Ca は植物体内を移動しにくいため欠乏症を起こすことが多く、常に補給することの必要性から、平成10年より葉面散布用肥料の効果発現促進材として各種塩類の水溶性カルシウムが使用可能となりました。 繰り返しになりますが、植物にとってCa は非常に重要な要素です。 ・Ca は主に根から吸収されますが、植物体内を移行しにくいため欠乏症は生長点や果実に多く発生します。 ・Ca を土壌に施すには「吸わせる」ことが主目的ではなく、間接的な効果にあります。 ・Ca は施肥量を増やしても、主として置換性が増えるだけで土壌養液濃度はあまり高まりません。 ・養分としてのCa よりpHの上昇による鉄・ホウ素・マンガン・カリ・マグネシウムの欠乏を引き起こすことに注意 しなければなりません。 ・施肥障害を起すことなく施肥量を増やすこと、すなわち土壌を経由しない葉面散布で直接部位にCa を補給すること が必要である。 (2) ホウ素肥料 ホウ素は三要素、特殊要素についで要求量が多い成分であり、多くの作物において最も欠乏症の出やすい微量要素でもあります。それゆえ法的にもマンガンと共に保証する成分とされ、各種肥料において最低保証成分量が定められております。 ホウ素は土壌中では金属類や土壌粒子とあまり結合しないので無効化しませんが、雨による流亡や乾燥により欠乏します。毎年適正範囲内で補給しなければなりませんが、土壌施用の場合、ホウ酸肥料は成分が高いため、少量を均一に撒くことが難しく、過剰 施用の危険があります。一度、過剰にしてしまうと有効な対策はありません。 土壌施用の場合は、ホウ素が含まれる化成肥料などにより補給されることがよいでしょう。 葉面散布による補給は、適時に適量を補給できるので理想的ですが、単肥としてのホウ酸肥料は溶解しにくく、吸収性が悪い点やアルカリ性のため農薬と混用できず、薬害が出やすい欠点があります。 ホウ素の補給には 「ヨーヒB5」 の利用をおすすめします。 ホウ素肥料の種類 ○ ホウ酸肥料 ホウ素として 55%含有、酸性、溶解し難い、過剰障害に注意、単肥、液肥の原料として利用される。 ○ ホウ酸塩肥料 硼砂、ホウ素として 36%含有、アルカリ性、副成分にナトリウムを含有、この他、アンモニア、加里塩等が知られ 比較的溶解しやすいが、アルカリ性のため微量要素を含む液肥には利用 できない。農薬との混用も不可、単用可、 薬害や過剰障害に注意。 ○ ホウ素含有液肥 「ヨーヒB5」(液状複合肥料) ホウ素として 5%および各種微量要素含有。他の液肥にもホウ素は含有される が、溶解量の関係から殆どが 0.5%以下と少なく、 ホウ素の効果は期待できない。 (3) 液肥の高濃度化 「ヨーヒB5」は、果実から抽出した天然の有機酸とその化合物を主原料とした特許技術で ホウ素を約10倍以上 高めた(5%)有機酸液体肥料です。 また、アミノ酸キレート製法で微量要素の安定を計ることにより、濃度の高い液肥を実現しました。 |